メンチが切りたくて
格闘技を始めた。
今年の春、キックボクシングジムに入会したのだ。
思えば、なぜだか昔から格闘技に憧れを抱いていた。
毎年大みそかにはテレビの前に張り付いて、RIZINを眺めていた。
人を殴ったことは1度もないのに*1、なぜ格闘技が気になるのか、長年の疑問だった。
しかし最近、疑問は解消した。
自分が何に憧れていたのか気づいたからだ。
殴られたら痛いのはわかっているのに、目を見開いて前に出る勇気。
試合では絶対に白黒つくのに、大口をたたいて挑発する度胸。
厳しい世界なのに、格闘技1本で食っていこうと腹をくくる覚悟。
などなど…
全部自分にはないもので、
自分にないものだから憧れていたのだ。
気づくことができたのは、大阪に住んだからだと思う。
大阪は歩きたばこが多い。
道に広がるヤンキーも。酒を飲みながら歩くおっさんも多い。
そういう人たちとすれ違う時、関わらないように目を逸らしたり、避けて歩いたりする自分がどうしようもなく嫌だった。情けなく感じた。
別に喧嘩がしたいわけではないけど、
悪いことしてないのに、堂々と道を歩けないのは嫌だった。
気に入らない奴らには、メンチを切るくらいの度胸が欲しかった。
自分の人生、自分の意志通りに真っ直ぐ生きたいと思った。
そんなわけでキックボクシングを始めた。
まだまだスパーリングもできないアマチュアだけれど、
少しは生き方に芯が通ってきたような気がしている。
*1:弟は除く